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法人税額の税額控除の対象となるものとは?代表的な税額控除を4つ紹介

法人税は、法人の活動から得られた所得の金額に税率をかけて計算することができます。

ただ、一定の場合には税額を控除することが認められています。雇用促進などの政策的目的による税額控除制度、二重課税を避けることを目的とした税額控除制度など背景はさまざまですが、いずれにしても計算結果から一定額を差し引くことが可能です。

 

法人税において適用を受けられる税額控除にはどのようなものがあるのか。当記事では代表的な税額控除を4つ取り上げてそれぞれ説明します。

所得税額控除

法人税に関する税額控除の1つに「所得税額控除」があります。

所得税と法人税の二重課税を回避する目的で設けられている税額控除制度で、多くの会社に関係してくるものです。

 

「法人税=会社」「所得税=個人」というイメージを持たれているかもしれませんが、所得税は会社にとっても無関係ではありません。

会社が支払いを受ける利子、賞金、配当等に関しては、源泉徴収がなされています。

 

そこで所得税と法人税の二重課税にならないよう、法人税の計算において、源泉徴収される所得税および復興特別所得税の額は差し引くことが認められています。

外国税額控除

外国にも拠点を置く会社の場合、その現地の国でも所得に対して課税されていることがあります。

その場合、日本の法人税と法人税に相当する現地の課税が二重に課されてしまいます。

 

このときの二重課税を避けるため「外国税額控除」の制度が設けられています。

 

例えば日本で納めるべき法人税の額が500万円である場合でも、外国の法人税として10万円を納めた場合は、その分を差し引いた490万円の納税で良いということになります。

 

ただし無条件に際限なく控除ができるわけではありませんので注意が必要です。限度額に留意して計算を行いましょう。

賃上げ促進税制に基づく特別控除

日本では、従業員の賃金をなかなか上げられないことが大きな課題となっています。

そこで「賃上げ促進税制」が設けられ、賃上げをした事業者が税制上の優遇を受けられるようになっています。

 

こちらは前項までの税額控除制度とは異なり、二重課税を避ける目的で適用するものではありません。

二重課税を避けるための控除だと、適用を受けられても事業者は得をするわけではなく「損を避けられた」と考えられます。

しかし賃上げ促進税制に基づく特別控除では「得ができる」と考えることができます。

 

そのため従業員の賃上げをした事業者はぜひこの制度を知って適用を受けたいところです。

また、賃上げに悩んでいる事業者もこの制度により負担を軽減できることを知り、前向きに検討を進めると良いでしょう。

 

控除額は、賃金アップした分の最大40%です。

このパーセンテージは中小企業の場合ですが、中小企業以外であっても最大30%もの控除が認められます。

 

ただし、適用要件を満たす形で賃上げが行われなければなりません。

この制度を最大限有効活用できるよう、事前に税理士に相談しておくことが大事です。

研究開発税制に基づく税額控除

研究開発を行う企業に対し、法人税額の負担を軽減するための「研究開発税制」があります。

 

民間企業による研究開発への投資を支援することで、イノベーションの創出を中長期的に促進することが同制度の目的です。民間企業への支援ではあるものの、イノベーションの創出が日本の経済成長および国際的な競争力の向上につながると期待されていることから運用されています。

 

同制度はさらに次の3つの制度から構成されています。

 

 ①一般試験研究費の額に係る税額控除制度

試験研究の費用に一定割合を乗じて算出された額を、法人税額から控除する。

 

②中小企業技術基盤強化税制

中小企業者または農業協同組合等が利用可能。①に代えて適用し、試験研究の費用の一定割合を控除できる。

 

③特別試験研究費の額に係る税額控除制度

「特別試験研究費」がある場合に適用可能。①および②とは別枠で、特別試験研究費の一定割合の額を、法人税額から控除できる。

 

※いずれも青色申告法人を対象としている

※①と②は併用不可

※特別試験研究費の額は、①②の計算の基礎には含められない。

 

試験研究費の額にかけることができる税額控除割合は、「214%」です。控除上限がありますしその他適用条件も指定されています。

 

適用可能かどうかの判断、適用するためにすべきこと、詳しい計算に方法ついては税理士に聞いて対処するのが効率的です。

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