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決算と確定申告の違いとは?それぞれの目的や業務の流れを紹介

事業者、あるいはこれから事業を始める方は、「決算」や「確定申告」についての理解が必要となります。法律上の義務として、本業の事業活動とは別にやらないといけないと定められているからです。

 

そこでまずは2つの言葉の意味について知っておきましょう。何のために必要なことなのか、業務としてどのように取り組むのか、ここで紹介いたします。

「決算」と「確定申告」の比較

「決算」は企業活動の結果をまとめる作業であるのに対し、「確定申告」は税金を計算してその額を申告することを言います。

 

それぞれの言葉を整理し、比較すると、次のようにまとめることができます。

 

比較項目

決算

確定申告

主体

事業者(法人、個人事業主)

・事業者(法人、個人事業主)

・個人

目的

経営成績と財政状態を明らかにし、利害関係者に報告すること

納税額を計算し、税務署に申告・納付すること

基礎となる資料

・仕訳帳

・総勘定元帳

・試算表 など

決算書(貸借対照表、損益計算書)、各種帳簿

作成書類

・貸借対照表

・損益計算書

・株主資本等変動計算書

・個別注記表 など

・法人税申告書

・消費税申告書 など

提出先

株主総会

税務署

 

なお、法人の場合は税の申告までまとめて「決算」と言うケースが多く、「確定申告」という言葉を使わないことも珍しくありません。これに対し個人事業主など個人に対して課税される所得税については「決算」とは別に「確定申告」と呼ぶのが一般的です。

決算とは何か

決算に焦点をあてて、目的や業務の流れなどの詳細を見ていきます。

決算の目的

決算には、大きく分けて以下3つの目的があります。

 

経営成績と財政状態の把握

決算のもっとも基本的な目的は「経営成績(収益と費用)」と「財政状態(資産、負債、純資産)」を正確に把握することにある。

経営成績は、1年間でどれだけの利益を上げたのかを意味し、企業の収益性や成長性を評価する指標になる。

財政状態は企業の保有する資産と負債の状況を意味し、企業の支払い能力や安全性を評価する指標になる。

利害関係者への報告

決算書には、株主・取引先・従業員など、企業の利害関係者に対して自社の状況を報告する目的もある。

株主は株式会社の所有者であり、決算の結果が投資判断に影響してくる。

取引先は、決算の結果から当該事業者と取引を行うことのリスクを評価し、例えば融資を行う金融機関であれば返済能力をここから読み取る。

納税額の算定

利益の大きさは課税価格の大きさにつながるため、決算が納税額の算定にも連動している。事業規模が小さく利害関係者があまり多くない事業者にとっては、「外部への公表」というより「納税額の算定」が決算の一番の目的になってくる。

決算業務の基本的な流れ

決算業務の流れをごく簡単に表したのがこちらです。

 

  1. 取引の記録
    1
    年間の取引をすべて仕訳していく。会計ソフトを使って入力していくのが今では主流。
  2. 試算表の作成
    日々の仕訳を進めていくことで、会計ソフト上で総勘定元帳など各種帳簿が自動で作成されていく。その過程では決算書の元となる試算表も作成され、これまでの記帳が正しいことの確認ができる。
  3. 決算整理仕訳
    決算に向けた最後の調整を行う。例えば減価償却費の計上、貸倒引当金の計上、未払費用の計上など。
  4. 決算書の作成
    決算整理仕訳が済めば貸借対照表や損益計算書などが作成できるが、会計ソフトを使っている場合はこれらもほぼ自動で作成される。
  5. 株主総会での承認
    株式会社の場合、作成した決算書を株主総会に提出して承認を得る必要がある。

 

なお、この流れはあくまでごく基本的なものであり、事業者によってはより複雑で大変な作業を要するケースもあります。例えば上場企業の場合、会社法の規定に従うだけでなく、金融商品取引法にも従う必要があります。

確定申告とは何か

次に、確定申告に焦点をあてて、目的や業務の流れなどの詳細を見ていきます。

確定申告の目的

決算には、大きく分けて以下2つの目的があります。

 

税額の計算と報告

確定申告の一番の目的は、1年間の所得を報告し、納めるべき税額を知らせることにある。

固定資産税など、納税義務者自身で計算・申告する必要がない税もあるが、所得税や法人税、消費税などは納税義務者が自ら計算して税額を申告しないといけない。

税額控除や還付の適用

税額は、課税価格に対して税率を乗じて算出するが、所得控除や税額控除などの制度を利用して納税額を減らすことができる。

ただしその適用にあたって申告が要件とされているものもあり、特例等によって税負担を軽減するためにも確定申告は行われる。

また、税金の還付を受けるためにも申告は欠かせない。

確定申告の基本的な流れ

確定申告の大まかな流れは以下の通りです。

 

  1. 必要書類の準備
    源泉徴収票や収入、必要経費に関する書類、控除に関する書類を準備する。
  2. 申告書の作成
    収集した書類に基づいて確定申告書を作成。書面を作成してもいいが、専用のソフトを使ってPC上でデータとして作成することもできる。
  3. 申告書の提出
    作成した申告書を税務署に提出する。直接税務署に持参する方法、郵送する方法、そして電子申告する方法がある。
    ※青色申告特別控除で最大の65万円の適用を受けるには、電子申告(または優良な電子帳簿の保存)が必要。
  4. 税金の納付
    申告書を提出する段階で納付額も明らかになっているため、申告と同時に納付も行うと良い。納付は、金融機関の窓口で行うほか、インターネットバンキングやクレジットカード払いなど、複数の方法が用意されている。
    ※源泉徴収された税金が実際に納めるべき税金よりも多い場合は、納付ではなく、還付金を受け取れる。

 

決算同様、事業者によってこの業務の負担の大きさは大きく異なります。また期限も定められていますので、「業務の進め方や計算方法がわからない」「時間が足りない」といった悩みを抱えている方は税理士にご相談ください。

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