法人税の節税につながる基本的な対策
法人税の節税に取り組むかどうかで会社に残るお金が大きく変わってくるケースがあります。誤った認識のまま取り組んで脱税をしてしまってはいけませんが、適法の範囲内であれば問題はありませんし、節税効果に附随して別のメリットが得られることもあります。
細かく見ていくと数十を超えるたくさんの対策を挙げられますが、会社の状況によって利用できること・利用できないことがありますので詳細は税理士と相談しながら検討を進めるのがおすすめです。ここでは7つに絞って節税対策を紹介しています。
役員報酬の計上
経営者である取締役などの役員は、一般の従業員と同じ「給与」をもらうのではなく「役員報酬」を受け取ります。
そして役員報酬として毎月一定額を支給する場合、給与と同じように経費に計上することができますので、役員報酬の額が上がるほど節税効果も高まります。
※支給額と支給時期を税務署に届け出て報酬を支払う場合も計上可能。
会社の利益はその分減ってしまいますが、納めるべき法人税を抑えつつ役員個人が多くの金銭を受け取ることができます。
役員の所得税に注意
役員報酬を経費として計上すれば利益を減らすことができますが、役員のする仕事に見合った報酬設定が大事です。利益を少なくするために不釣り合いな報酬額を定めるべきではありません。
また、役員報酬をつり上げることには「役員個人にかかる所得税が高くなる」という問題も伴います。
会社の負う税負担は軽くなっても、結局役員個人の負担が大きくなってしまうのです。そして所得が多くなることに附随して所得税や社会保険料の負担も増します。
そこで法人税だけでなく所得税等とのバランスも考慮して、報酬額の設定を行うようにしましょう。
賞与(ボーナス)の活用
賞与も給与のように経費として計上できます。そのため賞与を出すほど利益を小さくすることにつながり、法人税の負担も小さくなります。
節税効果を調整しやすいのは「決算賞与」です。決算の業績に応じて臨時的に支給すれば、想定より大きな利益が出たケースにも対応できますし、想定より利益が出なかったときは支給しないという選択を採ることもできます。
エンゲージメントの向上も期待できる
賞与を支給することで「従業員のエンゲージメント向上」というメリットも得られます。
成果に見合った対価を受け取れることで従業員のモチベーションは向上し、会社のために貢献しようという意欲もわきやすくなります。
全社的にこの流れが進展していけば、節税効果にとどまらず、よりよい職場環境を構築していくことができるでしょう。
税制優遇が受けられる投資の実施
事業者向けに設けられている税制上の優遇措置がいくつかあります。
社会的な意義を持つ事業への取り組み、日本経済・地域経済に貢献するような取り組みなどに対し、税負担を軽減する仕組みが設けられているのです。
例えば人材や設備に対する投資、研究開発に対する投資などを行った企業に対して、税額控除が認められるケースがあります。投資の対象やその他満たすべき要件などは注意深くチェックしておかないといけませんが、優遇措置について知り必要な手続を採るだけで法人税の負担を軽減できることもあると知っておきましょう。
競争力強化も期待できる
特定分野への投資を税制優遇の条件としている場合、投資を行うためのコストが発生してしまいます。節税できる法人税の額より大きな額を投資することになりますので、単純に考えると会社に残るお金はマイナスとなります。
そのため優遇措置の適用のみを目的にしてしまうのは得策ではありません。
逆に効果的な投資を行った場合は、節税効果のほか、将来の売上向上や業務効率改善などにつながり、企業の「競争力強化」という効果も期待できます。
共済制度の活用
共済制度を活用することも法人税の負担を軽減するのに効果的です。「中小企業退職金共済」や「経営セーフティ共済」を活用したときの掛金は、その全額を経費計上できるためです。
自社に適した共済制度を探し、その活用についても検討してみると良いでしょう。
万が一の備えにもなる
共済制度本来の目的は節税ではありません。中小企業退職金共済であれば退職金制度を採り入れるため、経営セーフティ共済であれば倒産リスクを低減させるために活用するものです。
そのためこれら共済制度を活用することで万が一の事態にも備えることができます
福利厚生を充実させる
健康診断などの福利厚生費は、一定条件下で経費計上することができます。
例えば健康診断なら「全従業員を対象とすること」「医療機関への直接支払い」「妥当な金額であること」を満たせば経費になります。
社員旅行に関しても「4泊5日以内」「従業員半数以上の参加」「社会通念に照らして一般的な旅行内容といえること」を満たせば経費にできます。
人材の獲得にもつながる
特定の福利厚生を充実させることは節税効果につながりますが、対外的な評価の向上にもつながり、特に「人材獲得」に好影響を及ぼします。
従業員のためになる仕組みを設けることで「こんな会社に働きたい」という意欲を駆り立て、優秀な人材も獲得しやすくなります。
償却資産の特例を活用する
取得した資産が30万円未満であれば、その取得額を全額経費に計上することもできます。これは「少額減価償却資産の特例」とも呼ばれています。
通常は耐用年数に応じて分割で計上していくところ、この特例の適用を受けられる場合は一括で計上することができ、当該年度における節税効果を高めることができます。
また、取得額20万円未満の場合は「一括償却資産の特例」の適用を受けることも可能です。この場合も原則に従わず、3年の均等償却とすることが認められます。
利用条件に注意
上記のような税制上の特例を活用する場合、利用条件に注意してください。
まず「青色申告」を選択している事業者でなければ利用ができません。多くの企業は青色申告を選択していると思われますが、選択するための手続を行っていない企業は要注意です。
他にも、従業員の数や年度内の合計取得額に関する条件も設けられていますので、税理士にも相談して適用にあたり問題がないことの確認を取っておきましょう。
貸倒損失の計上
残っている売掛金の相手方が倒産状態にあるなど、回収が困難な場合、「貸倒損失」として当該売掛金を経費に計上することができます。
要は不良債権を整理するということです。債権を回収できた方が会社にとっては良いことですが、これができないのであればいつまでも放置せず貸倒損失としての処理を行うと良いです。
税務調査を想定した準備が必要
貸倒損失かどうかの判断は厳格であるべきです。というのも税務調査の際に貸倒損失に関して指摘を受けてしまうこともあり、回収不能ではないとの評価をされてしまうと経費としての計上が認められなくなってしまうのです。
そのため回収ができず不良債権になっているかどうか、専門家に助言を求めることをおすすめします。その他の節税対策に関しても、誤った方法で取り組んでいると税務署から指摘されてしまいますので十分注意しなくてはなりません。
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