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法人税の基本をわかりやすく解説! 課税の趣旨や税率、適用される法人の種類など

組織としてビジネスを始める場合、法人を設立することになります。

法人の経営を行うときに留意しないといけないのが税務です。法人税の課税は基本的に避けることができませんし、おおよその税金の負担や課税の仕組み、納付の手続について知っておくことが望ましいです。

 

そこで当記事では「法人税のことがよく分からない」という方に向けて、法人税の基本をわかりやすく解説します。

法人税とは

法人税は、企業活動から得られる利益を基礎とし、税負担を求めるための制度です。

 

例えば、資金調達を行い、従業員の雇用や原材料の仕入れをし、製品やサービスの生産販売をすることで企業は利益を得ます。

その利益は企業内に留保してさらに次の投資に備えたり、株式会社の場合だと株主に配当したりします。

 

このように企業活動の内容は多岐にわたり、経済活動のうち法人が関わる活動の割合は社会全体でも大きなものになってきています。

そこで法人にも公的サービスにかかる負担を求めるべきだとする考えに基づき、法人税の制度は発展してきました。

 

法人税は国の財源として非常に重要な地位にあり、国内はもちろん、外国においても重要な存在となっています。

法人税課税の仕組み

法人税は、上述の通り、法人が得る利益に対して課される税です。

具体的には、法人の所得金額を対象に課税するのであり、この課税所得を簡単に示すと「課税所得=益金の額-損金の額」の関係にあるといえます。

 

  • 益金の額:製品の販売による売上収入、不動産の売却収入などのこと
  • 損金の額:売上原価や販売費、人件費などの費用や損失のこと

 

法人税の額は、この課税所得に税率をかけ、税額控除額を適用することで算出できます。

税率

法人税の税率は、「23.2%」が原則です。

 

ただし、一定以下の規模の法人であって、一定額以下の所得については、軽減税率が適用されます。

2023年時点においては、資本金額が1億円以下の普通法人の場合、所得800万円以下の部分には税率「19%」が適用されています。

※中小企業者等に対する特例で、平成24年4月1日~令和5年3月31日まで開始する事業年度に関しては19%ではなく「15%」の税率が適用される

 

なお、法人税の税率の推移を見てみると、徐々に下がってきていることがわかります。昭和59年には「43.3%」。

そこから「42%」「40%」「37.5%」と徐々に税率が下がり、これに伴い中小法人に対する軽減税率についても下げられてきました。
23.2%」になったのは平成30年からで、中小法人に対する軽減税率は平成24年から現行の割合で維持されています。

 

稼ぐ力を持つ法人の税負担を軽減することで、投資や賃上げの促進を期待しているのです。

適用範囲

法人税の制度では、法人税の課税が適用される範囲を「内国法人」「外国法人」に区分しています。

 

  • 内国法人:日本に本店や主たる事務所を設置している法人
  • 外国法人:内国法人以外の法人

 

内国法人のすべてに適用されるわけではなく、法人の種類に応じて扱いが異なっています。

 

法人税の取り扱い

法人の種類

法人の例

納税義務がない法人

公共法人

地方公共団体

日本放送協会

株式会社日本政策金融公庫

収益事業からの所得に限り課税される法人

公益法人

社会福祉法人

学校法人

宗教法人

公益社団法人

公益財団法人

NPO法人 等

人格のない社団

同業者団体

PTA

同窓会 等

すべての所得が課税される法人

普通法人

株式会社

合同会社

合名会社

合資会社 等

協同組合等

漁業協同組合

農業協同組合

消費生活協同組合

信用金庫 等

 

公益法人や人格のない社団は、「収益事業」から得た所得だけが課税対象です。例えば就業法人が敷地の一部を駐車場として貸し出し、そこから収益を得た場合は、収益事業から得た所得として課税対象になります。学校法人による生徒への制服・制帽等の販売も同様です。

法人税の納付手続

法人税は、決算手続を経て申告書を作成し、これを提出するとともに納付を行います。

 

法人税を納付する方法には大きく3パターンがあります。

 

  1. 現金納付

税務署から送付された納付書に現金を添え、金融機関、税務署の窓口で納付する方法。納付書には金額を記載する。金融機関であればどこからでも納付可能。税務署の窓口で納付する場合は、所轄の税務署に限定される。また、納付額が30万円以下であればコンビニで納付することもできる。

 

  1. クレジットカード納付

「国税クレジットカードお支払サイト」にアクセスして、クレジットカードを使った法人税の納付も可能。24時間いつでも納付することができ、利用明細に記録も残ることからお金の流れも把握しやすくなる。現金を手元に用意する必要がなく、キャッシュフローに問題があるタイミングでも対応しやすい。

 

  1. 電子納税

e-Taxを使ったダイレクト納付や、インターネットバンキングから納付する方法がある。直接窓口に行く必要はないが、e-Taxは利用できる時間帯が決まっているため要注意。

 

なお、法人税の納付期限は「事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内」です。事業年度を331日までに設定している場合は、531日までに納付しないといけません。個人の所得税については納付期限が統一されていますが、法人の場合は各社起業時に調整ができるため繁忙期などの事情を考慮して定めると良いでしょう。

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