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中小企業向けの賃上げ促進税制のメリットや注意点とは?

人材確保が難しくなる中、従業員の賃上げは中小企業にとって重要な課題となっています。

こうした状況を受け、国は賃金を引き上げた企業に対して税額控除を認める「賃上げ促進税制」を設けています。

本記事では、中小企業向け賃上げ促進税制のメリットや注意点について紹介します。

賃上げ促進税制とは

賃上げ促進税制とは、給与支給額を一定割合以上増加させた企業や個人事業主に対して、法人税や所得税の一部を控除できる制度です。

中小企業の場合、制度を活用することで最大で増加額の45%相当を税額控除できる可能性があります。

中小企業が利用するための主な要件

税制の適用を受けるには、前年度に比べて給与支給総額を一定割合以上増やす必要があります。

中小企業の場合、通常は1.5%以上の増加が要件となりますが、年度により要件は変動します。

この他、従業員の教育訓練費が前年度より一定程度増えている場合や、えるぼし認定・くるみん認定などを取得した場合、追加で税額控除率が上乗せされます。

中小企業が賃上げ促進税制を活用するメリット

賃上げ促進税制を活用するメリットとしては、主に以下が挙げられます。

税負担を軽減しながら賃上げが可能

賃上げにより人件費が増える一方、税額控除を受けることで負担を抑えることができます。

手元資金を確保しながら従業員の待遇改善を進められる点が大きなメリットです。

人材確保・離職防止につながる

給与アップは従業員の満足度や定着率の向上につながります。

また、求人の際にも賃上げに取り組む会社というアピールポイントが生まれ、人材の採用にもプラスに働きます。

賃上げ促進税制を利用する際の注意点

賃上げ促進税制を利用する際には以下の点に注意が必要です。

給与体系の変更は慎重に行う

税制利用のために無理な賃上げを行うと、翌年度以降の経営に影響する可能性があります。

制度の適用条件を満たしつつ、無理のない範囲で賃上げ計画を立てることが大切です。

対象外となる給与がある

役員報酬や役員の親族への給与などは対象外となります。

事前に対象範囲を確認し、正しく計算する必要があります。

制度内容が毎年のように変わる

賃上げ促進税制は年度ごとに要件が変更されることが多く、最新情報を確認しなければ誤った計算になるおそれがあります。

適用時には最新の制度内容を必ずチェックしましょう。

まとめ

賃上げ促進税制は、税負担を抑えながら従業員の賃金を引き上げられる有益な制度の一方で、適用要件や計算方法が複雑なため、制度内容を正しく理解することが重要です。

なお、本記事の内容は202511月現在の情報に基づき記載しております。

賃上げ促進税制について詳しく知りたい方は、専門家である税理士に相談することをおすすめします。

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