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個人事業主が知っておきたい節税の基本と具体的な対策について解説

「税金のことはよくわからない」という個人事業主の方も少なくありません。しかし事業者として活動を続けていくなら税務申告についてはきちんと対処していかないといけませんし、手元に残すお金を少しでも多くするには節税対策に関する正しい知識も身につける必要があります。

ここで、個人事業主が知っておくべき節税の基本や具体的な節税対策について解説していますのでご一読ください。

押さえておきたい節税対策の基本

まずは「青色申告を選択するメリット」、そして「経費計上できるものとそうでないもの」や「控除の種類」についても押さえておきましょう。

青色申告の選択

個人事業主として、賢く節税対策を行うことは事業を安定して継続するためにも効果的です。数ある節税対策の中でも「青色申告の選択」は基本中の基本といえるでしょう。

青色申告とは日々の事業取引をきちんと帳簿に記録し、その記録に基づいて申告を行うことを指し、本格的に事業を行っている個人事業主であれば多くが白色申告ではなく青色申告を選択しています。

その理由として青色申告の次のメリットが挙げられます。

《 青色申告のメリット 》

  • 青色申告特別控除が使える
    → 10万円、あるいは要件を満たすことで55万円または65万円を所得から控除することができる。
  • 損失を繰り越せる
    → 事業で損失が出た場合でも、その損失を翌年以降に3年間繰り越して、将来の利益と相殺することができる。
  • 少額な減価償却資産を即時に経費化できる
    → 30万円未満の減価償却資産(パソコンや事務機器など)を、購入時に一括で経費計上できる。
  • 家族への給与を経費にできる
    → 配偶者や親族に給与を支払っている場合でも、その給与を経費として計上できる。

ただし、青色申告を行うには、「青色申告承認申請書」を所轄の税務署に提出する必要があります。また、複式簿記で記帳する必要があるなど、白色申告に比べて記帳や管理の手間が大きくなります。

必要経費の計上

事業のために支出したお金があるなら、その分課税対象となる所得は小さくなります。そのためには必要経費を正しく計上する処理が必要です。

そこで、どのような支出が必要経費として計上できるのか、逆に計上できないものは何かを理解しておく必要があります。

《 必要経費として計上できるものの例 》

  • 地代家賃(事務所や店舗を借りている場合の賃料)
  • 水道光熱費(事業で使用した電気代や水道代、ガス代など)
  • 給料賃金(従業員へ支払った給与)
  • 宣伝広告費(広告出稿や宣伝活動にかかる費用)
  • 接待交際費(取引先との接待や交際にかかる費用※一定の制約あり)
  • 福利厚生費(従業員の福利厚生のための費用※一定の制約あり)
  • 消耗品費(事務用品などの購入費用)
  • 旅費交通費(事業のための出張や移動にかかった費用) など

一方で次の支出については経費計上できません。

  • 所得税や住民税など個人の税金
  • 個人事業主自身の生活費やプライベートな支出
  • 配偶者や親族への給与であって仕事内容に見合わない高額なもの

なお、自宅を事務所として使用している場合など、プライベートと事業の費用が混在している場合は、「家事按分」という方法で事業に該当する部分のみを経費として計上します。そのため自宅兼事務所について発生している賃料についても経費にすることができますが、すべてを計上してはいけません。

控除制度の活用

税金の計算をするときは、各種控除制度についての理解も必要です。

所得税に関していうと、課税対象となる所得を計算するときに適用する「所得控除」と、算出された税額から直接差し引くことができる「税額控除」の2つのタイプがあります。

例えば所得控除には次のものがあります。

  • 雑損控除(火災や盗難などの災害によって生じた損失に関する控除)
  • 医療費控除(自分や家族のために支払った医療費に関する控除)
  • 社会保険料控除(健康保険や国民年金などの社会保険料に関する控除)
  • 生命保険料控除(生命保険料に関する控除)
  • 基礎控除(一定以下の所得であればすべての人が対象となる控除)
  • 配偶者控除(所得の少ない配偶者がいる場合に適用できる控除)
  • 障害者控除(障害者本人または扶養親族が障害者の場合に適用できる控除)
  • 勤労学生控除(働きながら学校に通っている学生であれば適用できる控除) など

また、税額控除としては次のものがあります。

  • 配当控除(株式の配当金を受け取った場合に控除できる)
  • 住宅借入金等特別控除(住宅ローンを利用して住宅を取得した場合に控除できる)
  • 公益社団法人等寄附金特別控除(特定の法人に対する寄附で控除できる) など

節税対策について考えるなら、これら控除についても把握しておくことが大事です。

個人事業主におすすめの具体的な対策

以上の基本は踏まえたうえで、以下の取り組みについても検討してみてください。

青色申告特別控除を最大額まで適用する

青色申告の選択をしている方であれば、「青色申告特別控除」が適用できます。

金額は10万円、55万円、65万円の3パターンあり、複式簿記による処理や電子申告を行なっているなどの要件を満たせば最大の65万円が所得から控除できます。節税効果の大きな仕組みですので、最大限活用しておきましょう。

家族への給与を満額経費にする

生計を一にしている家族への給与であれば、実質、世帯としての手取りを減らすことなく節税効果を得ることができます。

ただし白色申告のままだと上限がありますので、こちらも最大限活用するには青色申告の選択をしておく必要があります。

また、生計が同じだからといって、節税効果だけを考え所得がゼロになるように給与の額を調整すべきではありません。仕事内容に見合った適切な金額を定めるようにしてください。

ふるさと納税を行う

ふるさと納税は個人事業主に限らず有効な節税対策で、寄附金のうち2,000円を超える部分については所得税・住民税の控除が受けられます。

寄附をする自治体を選択することができ、そこから返礼品も受け取ることができるためお得感が大きい仕組みといえるでしょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用する

iDeCo」とは、「個人型確定拠出年金」とも呼ばれる私的年金の1つで、公的年金と違って任意で加入する年金制度です。個人事業主の場合は基本的に厚生年金に入りませんが、iDeCoをその代わりとして活用することができます。

そして支払った掛金については全額が所得控除の対象であるため、節税をしながら将来に備えることができるためおすすめされています。

小規模企業共済に加入する

「小規模企業共済」は、個人事業主や企業の役員にとっての退職金制度として機能するもので、掛金を支払うことによって退職金の代わりを積み立てていくことができます。

そしてこの掛金は全額が所得控除の対象で、借入金制度の利用ができたり最後には退職金として受け取ったりすることもできます。

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