ビザはなぜ必要なのか？ ビザの取得でできること、ビザ制度の必要性について

ビザは外国に行くとき必要になるものです。とはいえ常に取得が求められるものではありませんし、似たものにパスポートや在留資格などもあり、「何が何だかよくわからない」「なぜビザは必要なのか」と混乱することもあるでしょう。

当記事ではビザについて言及し、なぜこれが必要なのかを解説していきます。

そもそもビザとは何か

ビザとは入国許可証のことであり、「査証」ともいわれます。

国が自国民以外に対し、入国しても差し支えないことを証するために使われます。パスポートが有効であることはビザにより示すことができます。
日本においては外務省が発給。日本での滞在理由を記載し、これをパスポートに貼付することになります。

外国人本人が在外公館にて申請を行うことで発給を受けることができるのですが、申請すれば誰でも受けることができるものではありません。

入国許可のために使う書類ですので、入国を許可できない者に対して発給はされません。

例えば過去に罪を犯した経歴がある場合など、身元審査により入国が不適格と判断された場合にはビザが発給されず、入国も許可されません。

パスポートとの違い

日本から海外旅行に行く場面では、ビザよりも「パスポート」の方がよく聞くのではないでしょうか。こちらの方が身近に感じられます。

パスポートとは「旅券」のことであり、各国政府が国外に渡航する人の身分や国籍などの情報を証明するために発行するものです。

日本人の場合は日本政府が発行します。

渡航先によってはビザが必要になることもあるのですが、旅行に対してはビザが必要とならないケースも多いです。
ただし、旅行であってもパスポートの所持は欠かせません。

パスポートがなければ国外に出ることはできず、5年や10年などと、定められた有効期限を過ぎていないことも求められます。

ビザは外国に行くために必要

すでに説明した通り、ビザは外国に行くために必要になることがあります。

例えば次の国に入国する際は、ビザを取得して入国許可を得ておく必要があります。

• インド
• ネパール
• インドネシア
• カンボジア
• ミャンマー
• 北朝鮮
• パキスタン
• アフガニスタン
• ブータン
• サウジアラビア
• ヨルダン
• イラク
• イラン
• エジプト
• ケニア
• エチオピア
• ロシア　など

これらの国、その他にいくつかの国々では、海外旅行をするにもビザの取得手続を済ませておかないといけません。

ビザの必要性については、日本との交流度合いや政治情勢なども関わっています。

例えば中東だと内戦がある地域も多く、厳しい入国審査が設けられていることが多いです。

これに対して以下の国への入国では基本的にビザが不要です。

• 韓国
• タイ
• シンガポール
• モンゴル
• フィリピン
• 中国
• イスラエル
• トルコ
• セネガル
• 南アフリカ共和国
• アメリカ
• イギリス
• イタリア
• フランス
• スペイン　など

なお、これらの国であっても滞在期間が長くなる場合にはビザの取得が必要になることもありますので留意しましょう。

入国にビザが必要な理由

入国に対してビザが必要となる理由は、「国家の安全保障」や「外国人在留の管理」などが主な理由です。

出入国管理及び難民認定法においても、法の目的を次のように定めています。

（目的）
第一条　出入国管理及び難民認定法は、本邦に入国し、又は本邦から出国する全ての人の出入国及び本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする。

引用：e-Gov法令検索　出入国管理及び難民認定法第1条

「日本に在留するすべての外国人の公正な管理」を行い、​国の安全を守る必要があります。

ビザ制度がない場合、比較的自由に国の出入りができるようになり、テロリストなど重大な犯罪歴がある人物でも容易に入国できるようになってしまいます。国家の安全保障を図る上では、ビザ制度を通じた入国者審査・管理が必要なのです。

また、観光のほか、留学や研究、ビジネスなどさまざまな目的で日本を訪れる外国人がビザを取得することで、どういった人材がどれほど国内に在留しているのか、といったことも管理しやすくなります。