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欠損金の繰り戻し還付とは 還付の要件や注意点についても解説

赤字が発生した年度に、過去に納めた法人税が還付される制度は、資金繰りの問題を抱えやすい中小企業などに大きな恩恵をもたらします。

本記事では、欠損金の還付制度の仕組みと、その適用要件などについて解説します。

欠損金が発生しやすいタイミング

欠損金が発生しやすいタイミングは、主に事業開始時や、大規模な投資、外部環境が急激に変化した時期です。

また、市場の競争が激化したり、景気が急激に悪化したりした際にも、売上の減少や不良在庫の発生により、欠損金が生じます。

さらに、新技術への対応や、工場の刷新といった自社の大規模な設備投資を行った年度も、一時的に多額の費用が発生するため、欠損金が生じやすい時期となります。

欠損金の繰り戻し還付とは

欠損金の繰戻し還付とは、当期に発生した欠損金を、過去の黒字だった事業年度の所得に遡って相殺し、すでに納めた法人税の一部を税務署から返金してもらう制度です。

この制度の目的は、赤字が生じた企業の資金繰りを支援することにあります。

還付金額の計算方法

繰戻し還付によって返金される金額は、以下の算式に基づき計算されます。

 

◼️還付金額 = 過去に納めた法人税額 × (繰り戻す欠損金額 ÷ 過去の所得金額)

 

これは、過去の事業年度に納めた法人税額のうち、繰り戻した欠損金に相当する所得にかかっていた税金を取り戻す仕組みです。

過去に納めた法人税額が控除の基礎となるため、過去に納税をしていない場合は、還付金を受け取ることはできません。

還付制度を利用できる法人

この繰戻し還付制度を利用できる法人は、原則として中小企業者等に限られています。

中小企業者等とは、資本金の額または出資金の額が1億円以下である普通法人などを指します。

大企業などの大規模法人は、この制度を利用することができません。

ただし、中小企業者等以外の法人であっても、会社が解散・清算する場合の欠損金額や、災害により生じた欠損金額など、例外的な欠損金については、繰戻し還付を適用することが認められる場合があります。

欠損金の繰り戻し還付の適用要件

欠損金の繰戻し還付は、企業の資金繰りを大きく助ける制度ですが、適用を受けるためには厳格な手続き要件をすべて満たさなければなりません。

通常時の場合

欠損金の繰戻し還付の適用を受けるための要件は、以下の通りです。

 

◼️青色申告の連続提出

欠損事業年度だけでなく、還付の基礎とする過去の事業年度から、欠損事業年度の前事業年度まで、連続して青色申告書を提出していること

 

◼️期限内申告

欠損事業年度の青色申告書である確定申告書を、その提出期限までに提出していること

 

◼️同時提出

欠損事業年度の申告書と同時に、欠損金の繰戻しによる還付請求書を提出していること

 

これらの要件をすべて満たすことで、欠損金の還付を受けることができます。

災害時の場合

災害によって発生した災害損失欠損金額については、繰戻し還付の適用要件が一部緩和されます。

なお、災害損失欠損金額とは、災害により生じた損失の額に達するまでの金額を指します。

この場合、通常の還付制度と異なり、青色申告の承認を受けていない法人でも還付請求が可能です。

ただし、災害損失欠損金額の繰戻しによる還付を受ける場合も、還付請求書を確定申告書または仮決算による中間申告書と同時に提出しなければならないという手続き要件は変わらないという点には注意が必要です。

 還付における注意点

欠損金の繰戻し還付における注意点は、遡って還付を請求できる期間が限定されていることです。

通常の欠損金の繰戻し還付の場合、遡って還付を請求できる期間は、欠損事業年度開始の日前1年以内に開始した事業年度に限られます。

ただし、災害により損失が生じた欠損金の場合は、青色申告法人である場合に限り、遡って還付を請求できる期間が欠損事業年度開始の日前2年以内に開始した事業年度まで延長されます。

まとめ

欠損金の繰戻し還付は、赤字が生じた中小企業の資金繰りを助け、過去に納めた法人税を取り戻せる重要な制度です。

この還付を受けるためには、中小企業者等であることに加え、青色申告書の連続提出や、還付請求書の期限内同時提出といった厳格な手続き要件をすべて満たすことが必要です。

法人税に関してお困りの際は、税理士までご相談ください。

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