税務調査の結果に不服がある場合の手続きと期限を解説
税務調査を受けて更正や決定などの処分がされたものの、その内容に納得できないケースは少なくありません。
本記事では、処分に不服がある場合の対処法として、国税通則法に基づく再調査の請求と審査請求という2つの手続きの違いや請求期限、それぞれの特徴や期限内に対応を検討するうえでの注意点を解説します。
税務調査の結果に不服があるときにできること
税務調査で更正や決定などの処分を受けた場合、国税通則法に基づき再調査の請求または審査請求という不服申立てができます。
更正とは、税務署が申告内容に誤りがあると判断して税額を訂正する処分です。
決定とは、申告をしていない人に対して税務署が税額を確定させる処分を指します。
こうした処分に不服があるときの手続きは、改正国税通則法によって整理され、現在の再調査の請求と審査請求という枠組みになっています。
なお、税務調査の途中で税務署の指摘を受け入れ、自ら修正申告に応じた場合は、自身が申告した内容となるため、不服申立ての対象にはなりません。
この後、2つの手続きの違いを分けて解説します。
再調査の請求とはどのような手続きか
再調査の請求は、税務署の事実認定や税額計算に誤りがあると考える場合に、処分の見直しを求めるための手続きです。
まずは処分を行った税務署長等による再検討を求めるため、比較的早期の解決が期待できる場合があります。
再調査の請求は、処分を行った税務署長等に対して、その処分の見直しを求める簡易迅速な手続きです。
申立先は、更正や決定などの処分を行った税務署長等であり、処分を行った側が改めて内容を見直す点が特徴です。
第三者機関ではなく処分庁自身が再検討するため、簡易かつ迅速な解決を目指す手続きとして位置づけられています。
再調査の請求の結果に納得できない場合は、さらに次に述べる審査請求へ進むことができます。
審査請求とはどのような手続きか
審査請求は、処分庁による判断ではなく、第三者の立場から処分の適法性や妥当性について審理を受けたい場合に利用する手続きです。
税務に関する専門的な知見に基づいて審理が行われるため、処分内容を改めて客観的に検討してもらうことができます。
審査請求は、国税不服審判所長に対して行う、第三者機関による専門的な審理手続きです。
申立先は処分庁ではなく国税不服審判所長であり、処分庁から独立した立場で審理される点が再調査の請求との大きな違いです。
国税局長が行った処分に不服があるとき、または再調査の請求を経た後の決定になお不服があるときの申立先となります。
再調査の請求と審査請求は選択できる任意的な手続きであり、再調査の請求を経ずに、はじめから審査請求を行うこともできます。
不服申立てで注意すべき請求期限と検討のポイント
不服申立てには、原則として処分があったことを知った日の翌日から3か月以内という請求期限があります。
この3か月の期限は、処分に対して最初に行う不服申立てに適用されます。
最初の不服申立てとしては、再調査の請求または再調査を経ない審査請求を選択できます。
一方、再調査の請求を経てから審査請求を行う場合は、再調査決定書の謄本の送達を受けた日の翌日から1か月以内が期限となります。
期限を過ぎると原則として不服申立てができなくなります。
起算点は処分の通知を受け取った日そのものではなく、その翌日である点に注意が必要です。
処分の内容を記した通知書が届いたら、まず記載された税額や処分理由を早期に確認することが欠かせません。
処分が妥当かどうかの判断や、正しい税額の検討には専門的な知識を要します。
期限内に税理士へ相談することで、申立ての要否や進め方を状況に応じて検討しやすくなります。
処分による税負担は資金繰りにも直結するため、通知書を受け取ったら早い段階で対応を判断することが重要です。
まとめ
税務調査の結果に不服がある場合の手続きには、処分を行った税務署長等に見直しを求める再調査の請求と、国税不服審判所長が審理する審査請求という別個の手続きがあります。
両者は申立先や審理する主体が異なり、再調査の請求や再調査を経ない審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、再調査の請求を経た後の審査請求は再調査決定書の謄本の送達を受けた日の翌日から1か月以内という期限内に行う必要があります。
処分内容の妥当性や税額の検討には専門的な判断を要するため、税務調査の結果に納得できない場合は、期限を過ぎる前に早期に税理士へ相談することで、状況に応じた対応を検討しやすくなります。
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